新月の王 Ⅰ
柊哉side

玲央が寝てしまった後、俺らも今日の夜は眠れねぇかもしれないから少し仮眠とっておくか。


って事で眠ってたら、玲央が起きたようで珍しく駿と話をしてる。


寝起きでぼやっとしてたから、そのまま話を聞いてると、なんだか元気のない声で話しは始めたから黙って聞いてた。


夜魘されて眠れない?


魘されて眠れないほど何があったんだ。毎晩魘されるほどの、玲央の過去に何があんだ?


昼間ならまだ少しは眠れるって事は、玲央は熟睡出来る事はないのか?そう思ったら、なんか苦しくなんな。


あんな細ぇ身体で何を抱えてんだよ。


その抱えてるもの・・・・・・俺に。


って俺・・・・・・どうした?


駿は何も言わず黙ってるってのに、同情されるのも嫌なはずで、慰められるのも嫌なはずだ。それは俺にも分かってる。


そんなの経験した事のない奴だから言える事だ。絶対に本人の抱えてる闇を他人が理解できるはずがない。


それを駿が分かるのはそれなりの闇を抱えてるから。


俺たちみたいなのは大体、闇を抱えてる。だから自分の居場所を求めて仲間でつるんでる。


だから何も言わず聞くだけしか出来ない事も俺らは知ってる。


だけど・・・なんでだろうな。


何とかしてやれねぇか・・・。


玲央の抱えてるものを軽くしてやる事はできねぇか?
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