新月の王 Ⅰ
屋上のドアを閉めて3階の一番奥の部屋を目指す。


「ねぇ」

「・・・」

「ちょっと」

「・・・」

「ちょっと人が呼んでんだからこっち向きなよ」


何?私なの?・・・キンキン高い声出して耳障りだな。


「・・・」

「何か言いなよ」

「・・・」


は?自分から声掛けといて何か言えってどんな遊びよ。こんな失礼な女無視だな。止めてた足を2~3歩出した所で、がっつり肩を掴まれて


「無視すんじゃないわよ」

「は?・・・何?」


「あんたさぁ。黒龍の幹部とどんな関係よ」


「・・・は?言うつもりもないけど・・・知りたければ本人たちに聞けば?」

「・・・ムカつく」

「は?」

「ムカつくって言ってんのよっ」

「あっそ」


勝手にムカつけばいい・・・けど・・・。


こっちは今日もっと機嫌悪いんだけど?自業自得だから尚更ね。八つ当たりして欲しいわけ?


さっきから訳の分からない事をキャンキャンキャンキャン耳障りで鬱陶しい。
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