新月の王 Ⅰ
そんなのは無視して机にテストを置いて、前を向きジャケットのポケットからシャープペンと消しゴムを取り出した。



「よし」



腕まくりをしてさっさとテストを片づけよ。小テストと入学前に貰って、昨日片付けた今週の課題プリントを揃えて、鞄を持って席を立つ。時間にして15分、思ったより時間掛かったな。



「はい」


「もう終わったのか」


「まぁ。あと今週のプリント」


「ん?もう出来てるのか・・・そ・・・うか」


「土曜に貰いましたけど?」


「あぁそーなんだ」


「これ提出したら、今週はHRまで何してても良いんですよね?」


「・・・あぁ、そうだが」


「HRって何時に始まりますか?」


「4時半だが、授業受けないのか?」


「はい・・・それが何か?」


「いや、HRには遅れるなよ」


「はーい」



プリントをサブちゃんに提出して教室を出る時



「あぁそうだ。課題の数学、3問目問題が間違えてたので、答え書いてませんけど、良いんですよね?」



そう言ったら、一斉にこっちを見たからびっくりしたぁ。



・・・え?間違えてる?問題がおかしいよね?
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