新月の王 Ⅰ
気が付けば5人がゾロゾロ歩いて来てる。ほんとよく見れば長身でスタイル抜群だよね。黒いブレザーの制服もカッコよく着こなしちゃって。


「玲央何やってる?」

「・・・柊哉」

「この女なんだ」

「あれ?零二さんは?」

「ちょっと仕事が入ったらしい」

「ふーん。そっちは話終わったの?」

「あぁ。んでこの女なんだ」

「・・・何て言えばいいの?」


さっきの女の方を振り返ろうとした時、頬に感じる大きな手の温もりが・・・。


「こいつか?」


おっと・・・ヤバイくらい低い声を発している柊哉。


「ここだけか?」

「・・・」

「痛ぇか」

「・・・大丈夫」

「後で冷やそうな」

「・・・うん」


頬を撫でる手の温もりが優しい。なんでそんな優しい声出して、愛おしそうな目で私を見つめるんだ?いきなり何?


「あれ?この子・・・玲央が来るまで一緒のクラスだった・・・ん~~~あっ!美香ちゃんじゃない?碧」

「・・・そうだったかな」

「俺覚えてねぇ」

「俺も」

「居たか?こんな女」

「・・・っ」


大和以外全然知らない感じの対応をする4人。唇を噛みしめて苦しそうな顔をする、美香ちゃんとやら・・・。
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