新月の王 Ⅰ
零二さんはその代の副総長だったから、そこにそんな繋がりがあったのか。


「あれ?名字が違いますけど」

「あぁ本城は母方の名字だ。相馬は父方の方だな」

「そうですか・・・」

「んでなあのKATANAのマフラーには象徴の黒龍があるんだよ。それを玲央が乗ってるとなると妹の存在が表に出るだろ」

「隼人さんの妹って情報は出てないって事ですね」

「あぁ。お前ももう調べてるだろ」

「やっと理解出来ました。でも隼人さんが総長じゃない今、玲央ちゃんが狙われる事はないんじゃないですか?」


碧さすがだな、俺もさっきからそこが引っかかってた。隼人さんはもういない。例え妹がいた所でもう関係ないだろうし、今さら狙われる意味が分からない。


「普通はな?普通じゃないから俺らも困ってんだよ」

「・・・」

「悪いけどこれ以上はちと勘弁してくれっか。時期が来たら必ず話す。俺からか玲央からか、だけど今はまだ時期じゃねぇんだ」

「分かりました。頼みって言うのが黒龍の姫にって事ですね?」

「そうだ。今朝の事で玲央には3カ月の謹慎処分を与えようと思う。もちろんバイクに乗るのと夜中の外出禁止だ」

「それは、そうした方が良いでしょうね」

「なんか理由をつけねぇとあいつはまた勝手に単独で動くからよ」

「「「「「確かに」」」」」


たぶん零二さんがいくら言ったって玲央は聞かねぇと思う。俺ら全員即答で答えられるほどに・・・。
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