新月の王 Ⅰ
それから暫くして、その子に会ったのは、俺の家の道場と言われる場所で、道場と言っても一般の空手道場とかとは違い、うちで働く者たちが鍛える場所で俺もよく鍛えていた。
その日もそこで鍛えていた。そこに兄貴に連れられて来たその子、なんで女の子が?って思ってたけど、兄貴も誰も何も教えてくれなかった。
その子は毎日来て、毎日ボロボロになるまで練習して鍛えて帰っていった。その目は未だに“無”のままだった・・・。
その内、俺も黒龍に入り、溜り場で過ごす時間が増えた所為で、その子に会う事がなくなっていった。
毎日喧嘩に明け暮れて、強くなる事だけを考えていた。
だけど何を急いでいるのか自分でも分からないほどに焦っていた。
早く強くなりてぇ。
大切なものを守る為に。
その日もそこで鍛えていた。そこに兄貴に連れられて来たその子、なんで女の子が?って思ってたけど、兄貴も誰も何も教えてくれなかった。
その子は毎日来て、毎日ボロボロになるまで練習して鍛えて帰っていった。その目は未だに“無”のままだった・・・。
その内、俺も黒龍に入り、溜り場で過ごす時間が増えた所為で、その子に会う事がなくなっていった。
毎日喧嘩に明け暮れて、強くなる事だけを考えていた。
だけど何を急いでいるのか自分でも分からないほどに焦っていた。
早く強くなりてぇ。
大切なものを守る為に。