新月の王 Ⅰ
「前から知ってるっぽいし、玲央ちゃんには何かあるっぽいけど、柊哉が惚れちゃったんだから、誰も文句言わないでしょ」

「だな」

「ただ問題は玲央なんじゃねぇ?」


こういう時案外冷静かつ的確に突っ込んでくるのは駿なんだよな。


「玲央が素直に受け入れるとは思わないけど」

「それな・・・あいつ聞きそうにねぇもんな」


蓮もそう思うか・・・。


「でもよ。玲央だって所詮女だしなんとかなるだろ。それに相手柊哉だぜ?もう無理だろ」


大和・・・マジでお前はすっげーな。バカすぎて・・・だけど大和の発する言葉の真意を俺らは分かってるけど、最後の無理だろってなんだよ。


「そうだね。無理だね」


おいおい碧までか?


「そうだった。それは無理だ」


駿、お前も言うか。


「じゃあもう逃げらんねぇな。玲央・・・ちょっと同情するぜ」


蓮・・・そりゃどういう意味だよ。


「・・・おめぇら」


低い声で威圧的に言っても、笑ってやがるこいつら。憶えてろよ、お仕置きしてやるからよ。
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