夏の日、僕は君の運命を変える
「この箱、どうやって届いたんですか?」
「それは……」
「宅急便などなら伝票が貼りつけられているはずですよね。
でも貼られていないし、剥がされた後もない。
誰かの手渡しなんじゃないですか?」
「……」
「お願いします。教えてください」
「…言うなって言われていたのよ。
だから、内緒にしてくれるかしら?」
『さっきここに春田水樹さんが入院しているはずなんですけどって女の子が来てね。
案内しましょうかって声かけたら、この箱を渡してほしいって。
茶色い髪を三つ編みにした、可愛らしい女の子だったわよ』
「太田!
父さん今出ていてすぐに帰ってくるんだ。
伝言頼んでも良いか?」
「何て」
「すぐに戻るって。
太田、父さんと仲良いなら大丈夫だよな!?」
「……わかった」
俺は急いで病室で入院着から私服に着替え、病院を飛び出した。