夏の日、僕は君の運命を変える
かっちゃんが高校に入学してバスケ部に入部したことは知っていて。
わたしはバスケ部マネージャーになるため、バスケットボールに関する勉強を高校受験と共に頑張った。
無事に高校にも受かり、バスケットボールに関してだってテストに出ても何の勉強をしなくても満点を取れるほど覚えた。
入学してすぐの部活選び週間の時。
迷わずバスケ部に行って、顧問の先生にマネージャーになりたいことを伝えて。
後日軽い面談を行うと言われ、念願のマネージャーになれると喜んだのに。
その日の夜家族揃ってうちに遊びに来たかっちゃんに、まさか「止めておけ」と言われるとは思わなかった。
『心ちゃんは見ていて危なっかしいから、マネージャーになんてなっちゃ駄目だよ。
部活に入るのなら、穏やかな文化部にしなよ』
かっちゃん目的でバスケ部マネージャーになろうとしたのに、本人から拒否されてしまえばどうしようもない。
次の日わたしは顧問の先生に、マネージャーにならない旨を伝えた。
「どうしてだ?」と散々聞かれたけど、「やる気なくして」とテキトーに答えたら頷いてくれた。
かっちゃんのいない部活なんてつまらないから、部活はどこも入らなかった。
部活に入っている子に「どうして?」と聞かれたら「面倒で」とテキトーにこちらも答えていた。
そのせいなのかわたしは“面倒くさがり”と思われているけど、気にしない。
代わりにわたしは、わたしより先にバスケ部マネージャーに立候補した希和と仲良くなった。
たまたま移動教室の時ひとりでいるのを見つけて、話しかけたのがきっかけ。
バスケ部マネージャーだと知ったのはその後で、わたしはかっちゃんが好きだとカミングアウトし、色々教えてもらうことにした。
希和はコイバナが好きな女子だったから、喜んで色々試合の情報とか教えてくれた。
教えてもらった試合の日には、希和に話を合わせてもらい、希和に誘われてやって来たと話した。
かっちゃんは試合の度にわたしが現れていて驚いていたけど、わたしが行く度シュートを決めていてかっこよかった。
試合でのシュート回数が最も多かったため部長になった時も、手作りのお菓子を作って渡してあげたりした。
お菓子作りは苦手だったけど、希和が手伝ってくれて助かったなあの時は。