夏の日、僕は君の運命を変える
お昼休み。
わたしはお母さんのお弁当を、希和は購買で買ったパンを食べながら教室で話していた。
「希和の名前が呼ばれた時驚いちゃった」
「ふふん。あたし今回頑張ったからね!」
「何でいきなりそんなに頑張ったの?」
「あたしだってたまには頑張るの!
きっかけは…頑張りたいと思ったから」
「ふぅん……」
「夏休み遊びに行く約束をしたから、赤点取って補習になりたくないなって」
「確かに補習者は夏休みに行くもんね…」
「補習で遊びの予定が潰れたら嫌だったの!」
「遊びのためなのに頑張るね」
「そりゃ夏だもん!思い切り遊ばなくちゃ損でしょ!」
基本家で過ごすことの多いインドア派のわたしに比べ、アウトドア派で季節関係なく外へ行く希和。
夏休み遊ぶために頑張ったと言う理由は希和らしいけど。
去年の夏は補習三昧だったみたいだから、懲りたのかな…。
「心も夏休みいっぱい遊ぼうよ!」
「暑いの嫌だ…」
「涼しい所行けば良いんでしょ?
駅近くのショッピングモールとか涼しいんじゃない?」
「それもそうだね。じゃ今度行こうか」
「カラオケとかも行こう!一緒に思い切り歌っちゃおう!」
「うん。楽しみ!」
わたしは玉子焼きを口へ放り込み、咀嚼した。