夏の日、僕は君の運命を変える







「心、嫌いな人に会いたいなんて思わないよ」

「希和…」

「あたしだって、心が哀しむって思いながらも、早く部活にならないかなとか会いたいなとかどこか遊びに行けたらって考えていたよ。
心が今1番会いたい人は、誰?」

「会いたい人は…」



思いつくのは、誰?



「でも、わたし奥村のことを振るなんて出来ないよ。
わたしを心配してくれて、あんなに優しい人を振るなんて」

「じゃあ心は奥村を傷つけるつもり?」

「き、傷つけるなんて…」

「今のままじゃ心は奥村の返事をオッケーする。
でも、心の中にはもっと大事な、会いたい人がいる。
曖昧で誰かを想いながら奥村に返事をするなんて、そんなの奥村を傷つけるだけだよ」

「……っ」

「奥村、今すぐ返事しろって言ってくれているの?」

「ううん…後でで良いって。いつでも待ってるからって」

「じゃあゆっくり考えな。
あたしもいつでも相談に乗るから。
例え振る結果になっても、奥村を傷つけない方法を見つけて。心」

「ありがとう希和。
いっぱい、相談に乗ってくださいっ」

「喜んでっ!」




焦らないで、自分と向き合おう。

どんな結果になっても、自分に嘘はつかないで、正直でいよう。

後悔しない、これだと思える決断をしよう。



「よーし!じゃパフェおかわりしようっと!」

「パフェおかわり?」

「もうひとつ同じの頼むってこと!
別のにするのも良いかもしれない」

「よ、よく食べるね…」



希和は宣言した通り、イチゴパフェとチョコバナナパフェを食べていた。

わたしは2個も食べられないので、最初のイチゴパフェだけにした。

生クリームとバニラアイスたっぷりのイチゴパフェは、甘かった。



「レモンは初恋の味とかいうけど、イチゴもそうだよね。
甘酸っぱいし」

「心、詩人になれるんじゃない?」




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