夏の日、僕は君の運命を変える
「そういえば、水樹くんがバイト休むなんて珍しいね」
『そう?』
「いつも平日はバイトしているイメージがあるから」
『確かに平日の方がシフト入れている日数は多いよ。
だけど今日は…ちょっと調子悪くて』
「え?風邪でも引いた?」
『馬鹿じゃないから引かないよ。
今日ちょっと色々上の空で、友達にもバイト休むよう言われたんだ。
風邪とかじゃないから』
「…心配」
『え?』
「…水樹くん優しいから、お人好しで、無理しちゃいそう。
無理、しないでね」
『…ここちゃん』
「水樹くんはひとりじゃないから。
離れているけど、わたしがいる。
必ず会うって、約束しているんだもんね」
わたしはワイシャツの中にいれ隠している、ペンダントを取り出す。
お風呂と寝る時以外肌身離さず身につけているそれは、わたしたちの証。
『……』
「水樹くん?」
『…ここちゃん。
僕ね、知っちゃったんだ』
「何を?」
『────』
水樹くんが言ったことを、わたしはすぐに信じることが出来なかった。