夏の日、僕は君の運命を変える
「…嘘、だよね。冗談だよね」
『嘘じゃない』
「嘘でしょ。嘘だって言ってよ」
『嘘じゃないんだ。
ちゃんと調べたんだから、嘘じゃない』
「調べたって、どうやって」
『…それは……』
「言えないんでしょ?
じゃあ嘘だよ」
『ここちゃ……』
「嘘だよっ!!」
『3年後、君は僕の世界にいないよ』
「わたしは今、生きているの!
死んでなんていないの!」
『ここちゃっ…』
「出鱈目(デタラメ)言わないで!
水樹くんがそんなことを言う人だと思わなかった!
冗談が過ぎるよ!」
『嘘じゃない!
嘘なんて僕はここちゃんについていない!
本当なんだ!!』
「……きらい」
『ここちゃんっ…』
「きらい、嫌い、嫌い!
水樹くんなんて大ッ嫌い!!」
わたしは鞄の中に黒いスマートフォンを投げ入れ、家に向かって走り出した。
かっちゃんと希和が一緒にいるのを見た時よりも、心が痛い。
水樹くんはわたしの味方で、わたしに嘘をつく人だと思わなかったのに。
わたしは、
水樹くんが、好きなんだ。