夏の日、僕は君の運命を変える
第14章 31年6月6日
僕は毎日のように、心ちゃんへ電話をするようになった。
心ちゃんは部活に入っていない帰宅部で、部活禁止の高校に通っているみたいなので、放課後は基本暇。
僕は大学での講義が終わり、アルバイトの時間まで暇なので、良い暇潰し相手になってくれている。
心ちゃんとの話はとても面白くて、興味深い。
特に僕が最も興味を持っているのは、心ちゃんの高校での話。
色々太田達から写真などは見せてもらっているけど、実感が湧かない。
本当は退院してから学校に行ける日もあったのだけど、何せ起きたのが12月。
受験生が頑張る夏休みを眠って過ごしていたから、学校には行かず受験に時間を費やしてしまった。
先生たちも理解してくれていたみたいで、出席日数が足りなかったはずなのに卒業させてくれたのには助かった。
空っぽな、何もない高校時代を埋めるように、僕は心ちゃんからの話を楽しみにしていた。