夏の日、僕は君の運命を変える
第16章 31年7月15日
この間いつものように電話したら、心ちゃんが出なかった。
それだけで、僕は酷く慌ててしまった。
事故に合ったりした?と心配になったけど、心ちゃんは電話に出てくれた。
クラスメイトの男子に勉強を教えていた、と出られなかった理由を聞いた時、僕はハッとした。
忙しいなんて思わないで、事故に合った?とか被害妄想して。
電話に出ないってだけで慌てて。
心ちゃんには心ちゃんの世界があって、周りの人がいるのに。
どうして僕はあんなにも慌ててしまったのだろう。
そんなにも僕にとって、電話は大事なものになっているってこと?
心ちゃんは普通に、毎日のように電話をした。
テスト勉強中に電話は控えた方が良いかな、と思い聞いてみると、変わらず電話してほしいと頼まれた。
心ちゃんも頑張っているから息抜きも必要だよね、と僕も変わらずかけることを約束した。
僕からかけないと、電話が繋がらないから。
心ちゃんとの電話の時間が大切な時間になっていると、僕はこの間気付けたから。
心ちゃんは面白い。
テスト中にガッツポーズをしてしまった話を聞いた時は、吹き出してしまってなかなか笑いが止まらなかった。
テストで赤点取らないよう、国語でトップになれるよう頑張っている心ちゃん。
僕も見習ってアルバイトやレポートを頑張ると、アルバイト先の先輩に褒められ、レポートでは良い評価を貰うことが出来た。
時間は違くても、誰かが頑張っている。
ひとりで苦しんでいるんじゃないんだって気付けて、頑張れるようになった。
出会った時、心ちゃんにお礼を言おう。
僕を頑張らせてくれて、ありがとうって。