夏の日、僕は君の運命を変える






写真を眺め終わった所で、ザザッとラジオの砂嵐に似たような音が聞こえ、心ちゃんの声が聞こえてきた。




『もしもし?
良いのが見つかったよ』

「どんなのにしたの?」

『ペンダント。
裏に文字が刻印出来るみたい。
今文字を決めて刻印してもらっているんだ』

「何て文字にしたの?」

『内緒!
会えた時に見せてあげる』

「じゃあ絶対会わないと!めっちゃ気になるから」

『楽しみにしてて。
あと、少しお願いがあって…』

「ん?」

『終わるまで1時間ぐらいかかるんだって。
終わるまで付き合って貰っていても良い?』

「勿論!
僕今日バイトないから、好きなだけ電話出来るよー」

『じゃあ今日はとことん付き合ってもらうね!』

「それ、飲み会で使う台詞だよ」



どんな文字を刻印したのかな。

考えながら、他愛もない話をする。

忘れてしまうようなとてもどうでも良い話ばかりだけど、僕にとっては大事な時間。

いつまでも、この関係が終わらないよう静かに願うんだ。




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