きらら荘の恋模様(仮)
きらら荘での生活
AM8:00
ドアのノックで目が覚める
「はい・・・。」
まだ眠いが携帯を見るともう8時そろそろ起きてもいい時間。
「まだ寝てるのか?」
・・・・!一ノ瀬先生の声?!
「は・・はい。睡眠中ですので後で部屋に伺います!」
「ん~、早めにな。」と言い
ドンドンと一階に降りて行く音が聞こえた。
はぁ~・・・何!ビックリしたぁ。
こんな寝起きで会えないよ。
異性と同じ屋根の下ってのは考えものだな~と思いながら二階にある女子専用洗面所で顔を洗い髪を整え歯を磨く。
・・・それにしても、先生なんの用だろう?
歯ブラシをしながらまだ起きていない頭で考える。
「まぁいいや!部屋行きゃわかる!」
部屋に戻りパジャマからトレーナーワンピに着替え先生の部屋に向かった。
コンコン
「はい。」
「あ、私です!七海です」
「あぁ、早いなどうぞ」
部屋に入ると先生は机に向かいながらパソコンを打っていた
「あ!タイミング悪かったですね。執筆中でしたか・・・・出直します」
「俺、今どうぞって入室許可しただろう・・・。
いいよ、今何も思い浮かばなくてやめようとしてた所だ」
ボサボサの髪をかき上げこっちを振り向いた。
・・・・あぁ、美形って生きてるだけで宝だなって思ったのは内緒。
「ふみ、これから予定ある?」
いきなり、名前を呼ばれ胸が高鳴る。
いやまて、先生はここの子達全員を名前で読んでたな
あゆなさんの事も・・・。いちいち反応するな私。心臓に悪い。
「いえ、昨日で片付けも終わったのでふらふらこの辺を散策しようかな。と思ってたぐらい暇でした。」
「よかった。なら、俺と付き合え。30分後の10時にここ出るから準備してこい」
と言われ部屋を出された。
・・・え?どこに何しに行くの?
脳内が混乱しながら部屋に戻りとりあえずどこに行くかも分からないからパーカーにロングスカートで無難な服に着替えた。
洗面所に行き、髪を綺麗にブラシでとき、マスカラとチークだけの簡単なメイクをした。
10時になり一階に降りると先生はジーンズにパーカーを羽織りラフな服装で玄関で待ってくれていた。
「よし、行くか・・・」気だるそうに扉を開けスタスタと歩いて行った。
ジーンズの後ろポッケに小さなメモ帳とペンだけが入っている。
「ちょっと一ノ瀬先生!どこ行くんですか?」
あとを追いながら問いかける
「あ、あぁ言い忘れてた。本屋行ってから船乗るぞ」
は?
船乗るぞ?
ついこないだまで都会暮らしだった私には意味が通じません。
「船?なんで?」
「俺、今あれなんだわ。スランプ状態
だからたまにこうやって船に乗ってボーっと考えるんだよ。それに付き合えって言うてんの」
「説明不足すぎますよ・・・。で、なぜ先に本屋?」
「船でお前暇だろうから一冊小説買ってやる。それでも読んどけ」
めんどくさそうに先生は答えてくれた。
なんで、私を誘ってくれたんですか?って聞きたいけど
どうせ暇そうなのが私だからだろう。
でも、やっぱり嬉しい。
徒歩で20分ぐらいで本屋に着き先生は俺のオススメって時代ものの小説を買ってくれた。
「ありがとうございます!今日は何時間でも付き合いますので♪」
新しい小説が手に入りしかも先生が買ってくれたってだけでテンションは急上昇。
先生のあとをついて行くと
私がこの島にたどり着いた船の停留所に着いた。
「あ、ここ。停留所」
「そう、ここで船借りれんの。
あ、おじさん船貸して。3時間ぐらいで返すから」
と先生はこないだ私を乗せてくれた運転手さんに声をかけにいってた。
「あぁ、あきはる君。いいよ。使いな」
「ありがとうございます。
ほら、ふみ行くよ」
と先生がこっちに手招きしている。
「はい!」と駆け寄ると
「お、こないだの嬢ちゃんあきはる君とデートかい?」
と運転手さんが私に向かってニコニコと話しかけてくれた。
「こないだはありがおとうございました。
今日は先生の・・・付き添いです。」
「まぁ、ゆっくり楽しみなここの海は綺麗だからね」
と運転手さんは海岸にある小屋に戻っていった。
「あの、先生。免許お持ちで?」
「当たり前だろう、持ってないと乗れないよ。
ほらさっさと乗って行くよ。昼までには帰りたいから」
と私の手を取り船に乗せてくれた。