青い花束
          
         ☆★☆

次の日。体育祭当日。


「紗那は何の種目に出るんだっけ?」


私は教室で紗那に髪を結ってもらっていた。


「借り物競争だよ〜。」


「借り物競争かあ…。どーする?お題で『好きな人』とか出ちゃったら!」


「ええええ…!」


私が少し意地悪を言うと、顔がみるみる赤くなってゆく。


そんな紗那が可愛くて、もっと意地悪をしたくなる。


「紗那は可愛いから、立候補者が出るかもよ〜?」


「あ、ありえないよ…っ!」


紗那はより一層顔を赤くして、ブンブンと首を振った。


あ〜、可愛い♪


「ごめんごめん、冗談だよ。でも、今好きな人いないのに本当にそんなの出ちゃったら困るよね〜」


「そう…だね。」


何だか急に紗那の元気が無くなった気がしたので、後ろを向こうとしたら、「動かないで!」と怒られた。


「よし、できたよ!」


鏡を貸してもらって髪を見ると、ポニーテールになっていた。編み込みまで入ってる。


私、いつも髪は下ろしてるからなあ…


不器用だからアレンジなんてできないし。


そう思うと、いつもと違う自分に嬉しくなった。


「ありがとう!」


私がニコッと笑ってお礼を言うと、紗那も笑い返してくれた。


紗那も自分の髪を結い終わり、校庭にあるクラスのテントへ向かう。


私達は話しながらゆっくりと歩いていた。


すると突然、誰かに頭を小突かれた。


なんか、前にもこんな事あったような…?
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