青い花束
そう思いながら振り向くと、やっぱり先生が立っていた。
「おはよう。」
「おはようございます…って、挨拶するだけなら殴らなくてもいいのに。」
「だから殴ってないって。オレが暴力教師みたいだろ!」
「え?違うの?」
先生は「違うよ!」と無邪気に笑った。
「今日はポニーテールなんだな……可愛いじゃん。」
「かわい…!?」
先生の急な言葉に驚いてしまう。
可愛いって…そんなサラッと言えちゃうんだ。
ドキ…
ん?今なんかドキッとしたような…
心臓がきゅうっとなるような、変な気持ち。
「自分で結ったの?」
「ううん。紗那にやってもらった。」
私がチラッと紗那の方を見ると、先生も紗那を見た。
「ああ、松坂は器用そうだもんな。」
「どーせ私は不器用ですよ。」
「誰もそんな事言ってないですよー。」
先生はまた笑って、私の頭を撫でた。
もう、また頭触る…
ドキドキ…
なんだかまた変な気持ちになった様な、そんな気がした。
「じゃあ、今日の競技見てるから。がんばれよ。」
先生はそう言って、教師用テントの方へ歩いて行った。