青い花束

「いいなあ…」


紗那が隣で、ボソっと何かをつぶやいた。


「ん?何か言った?」


「ううん。何でもない。」


紗那が少し気まずそうに笑った所で、



ピーンポーンパーンポーン



『開会式が始まります。生徒の皆さんは整列して下さい。』


開会式を知らせるアナウンスが入る。


私は、紗那が何を言ったのか少し気になりつつも、自分の列へ向かった。


          ☆★☆


『続いての種目は、借り物競争です。』


時刻は午後2時。


体育祭の種目も終盤に近づいて来た。


今の私達のチームの総合点は、6チーム中4位。


体育祭全体はすごい盛り上がりを見せていて、


〝絶対に負けられない!〟そんな空気が漂っていた。


「応援してるから頑張ってね!」


紗那は「うん!」と言ってガッツポーズを見せる。


大丈夫かなあ…緊張してるみたい…


紗那は優しいから、皆を不安にさせないように振る舞ってるけど…実は運動音痴だからなあ。


でも、そんな所も可愛い!


私はそんな事を思いながら送り出した。


そしてテントに戻ると、


クラスメートの加奈子(カナコ)、里奈(リナ)、彩花(アヤカ)が私を取り囲んだ。


「ねえ、碧!」と加奈子。


「な、なに急に!?」


私は急に取り囲まれたので、思わず後ずさりをしてしまう。
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