青い花束

「碧って、ゆいちゃんの事好きなの?」と彩花。


「ゆいちゃん?誰それ?」


「唯斗先生だよ!好きなの?」とまた加奈子。


「え!先生!?別に好きじゃないよ!」



チクリ



好きじゃない、そう言った時何故か胸が傷んだ。


「「「よかったあ」」」


3人共…声めちゃくちゃ揃ってますよ…


「あのね、里奈がゆいちゃんの事好きなんだあ。」
 

彩花が里奈の顔を見ながら言う。


すると里奈は「恥ずかしい…」と顔を赤くしてうつむいた。


「んで、碧はゆいちゃんと仲良いじゃん?だから、もしかしたら…って。」


今度は加奈子が、うつむいている里奈の頭を撫でながら言った。


「先生とは、別に仲良くなんてないよ?」


「で、でもよく話してるし…今日も先生が碧ちゃんの頭撫でてる所見ちゃって…私不安で…」


里奈はもっと顔を赤くし、涙が溜まった目で私を見た。


わあ…恋する乙女なんだなあ…


「大丈夫!先生の事は全然好きじゃないし、先生も頭撫でるのがクセみたいなモノだから!自信持って!」


私は笑顔でそう答えた。


里奈も、どんどん涙が引いて嬉しそうな顔になる。


加奈子も彩花も「よかったね!」と言って、3人は去って行った。


ふう…先生って意外とモテるんだな…


私がそんな事を思っていると、突然テントの中がザワついた。


「おい、どーした!」「早く見つけないと〜!」などと、皆が校庭に向けて叫んでいる。


どうやら、もう種目が始まっているらしい。
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