青い花束
「…浜田が関係してるのか?」
眉間にシワを寄せて、難しそうな顔になる。
浜田?誰だろう、それ…
「浜田って誰。」
「浜田唯斗…センセー。」
「っどうして先生が出てくるのよ?」
「…好きなんだろ、アイツのこと。」
今度は悲しそうな、怒っているような複雑な顔をする。
圭太って、こんなに表情が変わるヤツだったっけ…?
「はあ…あのねえ、もしも私が先生の事を好きだったとして、そんな事関係ないでしょ?」
私は、突き放すように冷たく言った。
さすがに傷つけたかな…
そう思ったけど、一度言ってしまった事はもう取り消せない。
正直、あれが私の本心だった。
これ以上何も聞かないで欲しい。
「…もうこの話はおしまいね。帰ろっ。」
そう言って圭太の横を通り過ぎようとした時、グイッと手を引っ張られた。
「関係ある。」
「はあ…?何で?」
「好きな人の好きなヤツは気になって当然だろ。」
好きな人の…好きなヤツ?
「それって、どう言う意味…」
そう言いかけた時、突然視界が暗くなった。
な、なに………?!
しばらくして、また視界が明るくなる。
唇には温かい感触が残っていた。
「…たまには、俺の事も考えてよ。」
圭太はそのまま私の手を引っ張って歩いて行く。
今、キスされた…?
私の思考回路は、もうショート寸前だった。