青い花束

「はあ…」


思わずため息が出てしまう。


お母さんに疲れたって事もあるんだけど、


やっぱり頭に浮かぶのは圭太の事。


あのキスは何なの?


『好きなヤツの好きな人』ってどういう意味?


疑問が次々と出て来る。


家が隣なんだから、今すぐ聞きに行けばいい話なのに…


今は上手く話せる気がしない。


てか、顔もまともに見れない気がする…!


私はまたベットに倒れ込んだ。


キスなんて、小さい頃は圭太と何度もしてたのにな。


お父さんの前でしちゃって、絶句させた事もあったっけ…


『僕、あおいちゃんだいすき!』


『あおいもけーたくんの事だいすきだよ!』


『ホント?じゃあ大きくなったらけっこんしよーね!』


『うんっ!やくそく!』


『ゆーびきーりげーんまん…』


なんて、子供の頃ならではの約束もしてたなあ。


今思うと、圭太とは本当に小さい頃から一緒なんだ。


『分かるよ。いつも一緒にいるんだから。』


あれは、こう言う意味だったのかなあ…


でも、私が先生への気持ちに気付いたのは今日だ。


いつから分かってたんだろう?


分かってたなら教えてほしかった。


そしたら、もっと早く引き返せたかもしれないのに。


紗那と同じ人を好きにならずによかったかもしれないのに。


〝気になる〟程度で済んだかもしれないのに。


いや、この気持ちを圭太のせいにするのはおかしいよね。


勝手に気付いたのは私だもん。


このまま気付かないフリをしていればよかったんだ。


また泣きそうな気分になってきた。


私は、自分の枕に顔を押し付けた―




ピコンッ


「ん…」


ピコンピコンッ


「なに…LINE…?」


さっきから何時間経ったんだろう。


どうやら眠っていたらしい私は、LINEの通知音で目が覚めた。


部屋の時計を見ると、もうすぐ19時だった。


寝てたのは1時間くらいか…
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