青い花束
☆★☆
「私ナースがいい!」
「オレ、警官♪」
「俺もー!!」
「メイドか、チャイナ…」
「誰か着ぐるみやってよー。」
今日から2日間、文化祭に向けて準備が始まる。
文化祭自体は3日間あるので、準備も含めると5日間だ。
ウチの学校って、こう言う行事にめちゃくちゃ力入れるよなあ。
5日間も授業がないなんてラッキー♪
今は皆、自分の衣装決めに夢中。
当日は裏方も接客も全員何かのコスプレするんだって。
私はジャンケンに勝って接客になった。
もちろん紗那も一緒!
「何のコスプレにしようかなあ〜」
隣では紗那がコスプレのカタログを眺めている。
私もそれを横から覗いた。
げっ…
「こ、こんなに足出すの!?」
カタログには、メイド、チャイナドレス、婦警、ナース…などの色々な衣装が載っていた。
でも…全部スカートが短い!!
少しでも屈んだり、角度によっては…
「パンツ見えちゃうじゃん!」
紗那はポカンと私を見ている。
え、何か変な事言ったかな?
「何言ってんの、碧!」
突然、背中をバシンッ!と叩かれた。
「い…っ!?」
振り返ると、加奈子がニヤニヤしながら立っていた。
「これくらいしないとお客さんはこないわよ!出血大サービスなんだから!!」
出血大サービス…?
加奈子は普段から明るいキャラだけど、今日はいつもより熱い〝何か〟を感じる。
「…紗那。加奈子どうしちゃったの?」
こっそりとそう尋ねると、紗那も『分からない』と言う様なポーズをする。
加奈子は私達のそのやり取りから察したのか、少し照れくさそうに頭をかいた。
「私の家、カフェやってるんだよね。だからついつい商売の事になると…」
「熱くなっちゃうのね…(苦)」
「そうなんだよ」とまた照れた様な仕草をした後、
他のクラスメートに呼ばれてどこかに行ってしまった。
「あーちゃん、どのコスプレにする?」
「うーん…露出が少ない方がいいなあ。」