青い花束

「「「「「キャ〜!」」」」」


その笑顔に、また女子達の歓声があがった。


「ん〜!終わったあ」


ようやく始業式が終わり、今は教室に移動中。


「あーちゃん、さっきはなんで大声出してたの?」


紗那が不思議そうに聞いてきた。


大声って…私そんなに大きな声だったかなあ。


「さっき言ってた痴漢から助けてくれた人、新任の浜田唯斗…先生?だったの。」


「えっ!すごーい!運命感じちゃうね♡」


「運命なんてあるわけないよ」


私のその言葉に、紗那は「そんなのわかんないよ!」と口を膨らませた。


「あーちゃんは、もっと恋愛した方がいいと思うなー。」


「そう言う紗那だって、今は好きな人いないじゃない。」


「うう…そうだけどさー!」


紗那はますます不服そうだ。


2人で話しているうちに教室に着いた。


私達の席は前後なので、席に着いてまた話をする。


そんな時、圭太が話しかけてきた。


「あーおーいー!春休みの宿題見せて♡」


「また!?何で春休みの間にやっとかないのよ。」


「だって俺バイトだったしー。」


「そんなの言い訳にならない!」


長期休暇が明けると、圭太はだいたい宿題をやってこない。


だからいつも私が見せることになるのだ。


圭太の言いなりになってるみたいでイヤだから、小言を言ってから渡すんだけどね。


そんな光景も、紗那はニコニコと見つめている。


「圭太くんと付き合っちゃえばいいのに〜。」


「ブホ…ッ!?」


圭太が去った後、紗那が突然発した言葉に、私は飲んでいたお茶を吹き出しそうになった。
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