青い花束
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「今からクラス写真撮るから、校庭に移動なー。」
おじいちゃん先生の指示で、私達は校庭に移動する事になった。
校舎の外に出ると、桜吹雪が舞っていた。
「うわー!桜キレイだねえ!」
紗那が嬉しそうに叫ぶ。
私はそんな様子が可愛くて、親のような気分になった。
紗那が私の子供だったら、絶対写真撮りまくるだろうなあ…!
今日の学校の桜は満開で、紗那が言う通り、本当にキレイだった。
2人して桜に見惚れていたら、誰かが頭を小突いた。
「いた…っ?」
誰だろうと振り返ると、唯斗先生が立っていた。
「早く並ばないと、お前ら抜きの写真になるぞ?」
「先生…殴らなくてもいいじゃないですかー。」
私がわざとらしく頭を抑えると、先生はハハッと笑った。
「殴ってはないだろー。」
そう言いながら、私の隣に立って歩き始めた。
並んで歩くんだ…。
紗那が何も話さないので、不思議に思って隣を見ると、うつむいて歩いていた。
そう言えば、紗那は人見知りだったなあ。
「落ち込んでないみたいだな…」
先生の突然の言葉にびっくりする。
落ち込む…?何に……あ、痴漢!
「あ、今朝は本当にありがとうございました!」
すると、先生はまた無邪気に笑った。