青い花束

         ☆★☆


「今からクラス写真撮るから、校庭に移動なー。」


おじいちゃん先生の指示で、私達は校庭に移動する事になった。


校舎の外に出ると、桜吹雪が舞っていた。


「うわー!桜キレイだねえ!」


紗那が嬉しそうに叫ぶ。


私はそんな様子が可愛くて、親のような気分になった。


紗那が私の子供だったら、絶対写真撮りまくるだろうなあ…!


今日の学校の桜は満開で、紗那が言う通り、本当にキレイだった。


2人して桜に見惚れていたら、誰かが頭を小突いた。


「いた…っ?」


誰だろうと振り返ると、唯斗先生が立っていた。


「早く並ばないと、お前ら抜きの写真になるぞ?」


「先生…殴らなくてもいいじゃないですかー。」


私がわざとらしく頭を抑えると、先生はハハッと笑った。


「殴ってはないだろー。」


そう言いながら、私の隣に立って歩き始めた。


並んで歩くんだ…。


紗那が何も話さないので、不思議に思って隣を見ると、うつむいて歩いていた。


そう言えば、紗那は人見知りだったなあ。


「落ち込んでないみたいだな…」


先生の突然の言葉にびっくりする。


落ち込む…?何に……あ、痴漢!


「あ、今朝は本当にありがとうございました!」


すると、先生はまた無邪気に笑った。
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