どう愛し合おうが自由でしょ?
prologue
『ノア』
義父さんからもらった名前。
今まで名前のなかった私にとって、とても嬉しかった。
でも、名前がなかったときの方が長くて、今では名前が重荷になってしまった。
名前は、こうなって欲しいという親の願い。
せっかく名前をつけてもらったんだ。
願いを叶えないと……。
『ノア』は、自由という意味。
ごめんなさい、義父さん。
私は、たぶん義父さんの願いを叶えることはできない。
だって、私は、誰かに束縛されたい。
監禁だってされても良い。
私だけを見て欲しい。
それほどまでに愛されたい。
いや、それほどまでじゃないと信じられない。
自分が愛されているということを。
だからね、義父さん。
私は、あなたに愛されてるなんて一ミリも思ってないの。
誰でも良い。
私に、溺れるほどの愛をくれませんか?