美少女の心の闇

割りきった関係

出会い系サイトで出逢った三十代くらいの男。
所謂格好いい類いだと思う。いかにも大人の男という感じで、早苗は少し体をこわばらせた。
「じゃあ、行こうか。」
男は早苗の腰に腕を回し、少し早足に歩き始める。
会話もなく、訝しげなホテルに到着した。
部屋に入ると、早苗は「先に二万円もらってもいいですか。」
と震える声でいった。震えないように言おうとしたが、
これから始まる行為のことを考えると恥ずかしさと緊張で足元も声もガタガタ震えた。
男は少し驚いたように早苗を見た。
ベッドに早苗を押し倒し、
「もしかしてこういうことははじめて？」
と優しげに問いかけたが、男の大きな体で押さえつけられては抵抗もできず、
「・・・はい」と震えて少し涙ぐみながら答えた。
男は早苗から離れると、二万円を早苗に手渡し
「怖かっただろ？ならもうこんな事するなよ。初めてはちゃんと愛する人としなさい、
俺がこんな事言うのもあれだけど。」
くしゃっと笑った男はいっそう格好よく見えた。

一目惚れというところだろうか。

早苗は恋心を抱いてしまった。