【第二章】狂気の王と永遠の愛(接吻)を
「待てって!」
石柱を曲がったところで自分よりも小さな障害物とぶつかって彼は前のめりに倒れてしまった。
「痛ってぇ……」
首をおさえながらよろよろと立ち上がると、背後では子供が腕を組んみながら訝し気な表情でこちらを見ていた。
「なんだお前?」
「お前こそ誰だ……? それよりこんなところで立ち止まってんじゃねぇよ!!」
「呼び止めたのはお前だろ!」
口の悪いふたりがオウム返しのような言葉で言い合っていると、新たな人間の声がすぐ傍から聞こえてくる。
「あ! 大和! 仙水見なかったか?」
「いや、見ていない。……彼は?」
明らかな不審者を見るような目つきで和の装いの青年が歩み寄ってきた。
「俺か? 俺は今日からこの国の王のティーダだ。俺が来たからには……」
「……蒼牙下がっていろ。こいつを始末する」
スラリと脇差を抜いた大和の殺気が一気に膨れ上がりティーダは息を飲んだ。
大和の並外れた力に震える大地。ビリビリと伝わってくるただならぬパワーにティーダの瞳がギラリと光る。
「へっ、ただの人間にしちゃ異常な力だな。……だがな、俺は王だっつってんだろ!! てめぇらとは格が違うんだよ!!」
すると、音もなく闇があたりを覆ったかと思うと、一色触発のふたりの間に更なる人物が立ちふさがった!
「……貴様がここに来たのはこれのせいであろう?」
「九条……なんだそれ?」
紫水晶(アメジスト)のような瞳の黒髪の青年が抱えている箱型のものを目にした蒼牙が彼の手元を覗き込んで訝し気に首を傾げる。
「……王様、ガチャ?」
「あぁ、俺のところにもあったぜ。適当にいじってたらこれが出てきて……気づいたらここに居たんだ」
ティーダの手に握られている丸いカプセルの中には紙切れが一枚。そこには書き殴ったような荒々しい字で【〇〇の王】と記してあった――。
石柱を曲がったところで自分よりも小さな障害物とぶつかって彼は前のめりに倒れてしまった。
「痛ってぇ……」
首をおさえながらよろよろと立ち上がると、背後では子供が腕を組んみながら訝し気な表情でこちらを見ていた。
「なんだお前?」
「お前こそ誰だ……? それよりこんなところで立ち止まってんじゃねぇよ!!」
「呼び止めたのはお前だろ!」
口の悪いふたりがオウム返しのような言葉で言い合っていると、新たな人間の声がすぐ傍から聞こえてくる。
「あ! 大和! 仙水見なかったか?」
「いや、見ていない。……彼は?」
明らかな不審者を見るような目つきで和の装いの青年が歩み寄ってきた。
「俺か? 俺は今日からこの国の王のティーダだ。俺が来たからには……」
「……蒼牙下がっていろ。こいつを始末する」
スラリと脇差を抜いた大和の殺気が一気に膨れ上がりティーダは息を飲んだ。
大和の並外れた力に震える大地。ビリビリと伝わってくるただならぬパワーにティーダの瞳がギラリと光る。
「へっ、ただの人間にしちゃ異常な力だな。……だがな、俺は王だっつってんだろ!! てめぇらとは格が違うんだよ!!」
すると、音もなく闇があたりを覆ったかと思うと、一色触発のふたりの間に更なる人物が立ちふさがった!
「……貴様がここに来たのはこれのせいであろう?」
「九条……なんだそれ?」
紫水晶(アメジスト)のような瞳の黒髪の青年が抱えている箱型のものを目にした蒼牙が彼の手元を覗き込んで訝し気に首を傾げる。
「……王様、ガチャ?」
「あぁ、俺のところにもあったぜ。適当にいじってたらこれが出てきて……気づいたらここに居たんだ」
ティーダの手に握られている丸いカプセルの中には紙切れが一枚。そこには書き殴ったような荒々しい字で【〇〇の王】と記してあった――。