†皇帝-emperor-†《Ⅰ》



カラフルな髪にも慣れ始めた頃、私はクラスの人たちから、


”モモちゃん”ってあだ名を付けられた。


モモちゃんだなんて呼ばれなれない名前は少し恥ずかしかったけど、新鮮だった。


派手な見た目をしている彼らは話してみると気さくな人ばかりで優しかった。


何とかって言う不良の団体みたいなグループに属しているらしいけど、面白い人ばかりだった。



クラスのみんなとの談笑を楽しんだ後、授業が始まる3分ほど前に私は教室を抜け出した。



クラスの人とは上手くいきそうだと、安心したけど流石に疲れてしまったから。


私はそのまま、行くあてもなく校内を歩き回ることにした。


ちょっとした、学校探検ぐらいの気持ちだった。


高校生になってまでって言われるかもしれないけど、小学生の時は学校探検なんてした事なかったから意外と楽しかったりする。



私は、時々道に迷いながらもドンドン歩みを進めていた。


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