†皇帝-emperor-†《Ⅰ》
(……へ?)
余りにも衝撃的な光景だった。
目を開けたまま、固まってしまう程に目の前のモノに驚いてしまった。
私の目の前には私を抱きしめる様に眠っているきれいな人形――いや、綺麗な男の人が居た。
でも、どうして?
この状況は一体。
しかも、私が寝かされてるのはもちろん自動販売機のあったあの公園などではなくどこか分からないけど結構な広さのある部屋の大きなベッドの上だった。
40畳はありそうな部屋。
そこにポツリと置かれた大きなベッド。
隣には顔の綺麗な男の人。
私の体に巻きつかれた腕。
頭の後ろは大きな手で支えられていた。
全く知らない目の前の男の人。だけど回された腕には不思議と嫌悪感は感じなかった。