†皇帝-emperor-†《Ⅰ》
通話を終え15分程たった頃に類は俺の家を訪れた。
皇帝幹部を引き連れ、そして黒い笑みを浮かべ、
「それじゃー、事情を説明してもらおうか?」
言葉を放った。
『あ…「スト~ップ!!」
そこで俺の言葉を右京がさえぎり、
「取りあえず、ここで話すのもなんだし中入ろうぜ。――な?」
珍しく、右京が正論を言った事もあって一瞬静まった俺たちだが、
次の瞬間には右京のその言葉を合図に俺達7人はリビングに向かっていた。
そして、ようやく全員が席に落ち着いたの見計らって類が口をひらく。
「琥珀、話して」
『ああ、実はな……』
俺は、昨日の事を話した。
右京から女を預かった事。
そして、あの不思議な女といると眠れたこと。
最後に、その女が発熱してること。
話を聞き終えた幹部たちは全員が目を見開いていた。当の本人ですら驚いてんだから当たり前か。
「…琥珀、薬をほんとに飲まずに寝たのか!?」
という右京の問いに、
『…ああ』
と短く返事をして、
『…類、薬』
と類に視線を向けた。
類はまだ驚いていたが、薬を渡してくれた。
俺は類達ををリビングに残したまま、女のいる寝室へと向かった。