†皇帝-emperor-†《Ⅰ》
俺の横では琥珀の不規則な生活を一番心配していた右京が、
「…琥珀、薬をほんとに飲まずに寝たのか!?」
と、半信半疑になりながらも嬉しそうな趣で右京が琥珀に問うていた。
『…ああ』
琥珀は、短く返事をしたかと思うと俺に視線と言葉を投げかけた。
『…類、薬』
俺は、この時確信した。
あぁ、琥珀やっとお前は見つけたんだな?
右京で言う、”運命の女”って奴を。
その内、会わせてくれよ?
お前を変えた”例の彼女”に。
俺は薬を渡して、琥珀が寝室へと入ったのを確認してから琥珀の家を後にした——。