†皇帝-emperor-†《Ⅰ》
皇帝幹部 雛守綺羅side
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——……類から、呼び出され集まった俺達は琥珀の変化に安心すら覚えていた。
右京が琥珀に女たちを送り込んでいたのはメンバー内では誰もが知っていたし、多分琥珀自身も気づいていたと思う。
結局、その中に琥珀が心を許した奴は居なかったわけだが。
俺は、そんな女居るわけないって何度も右京に言っていた。
右京だって本気で居るとは思っていなかったらしい。
でも、それは昨日まではって話。
普段は傍観者を決め込む椿とポーカーフェイスな紅空でさえ、昨日の出来事を知った今となっては動揺を隠せずにいた。
だけど、それ以上に俺らは喜んでいた。
やっと、琥珀が守るべきものを見つけたからだ。
それにしても琥珀が興味を持った女とは一体どんな上玉の女なんだ?
まあ、それは良い。その内、顔を合わせるだろうし。
問題は、琥珀に呼ばれたはずのあいつは薬を渡すだけ渡して俺たちでさえ置いてけぼりにして帰って行ったが——どうしたんだ?類のやつ。
そんな類だが、先に帰る。と俺達に告げた時の顔はどこか穏やかな顔をしていた。
アイツはこの短時間で琥珀の何を感じ取ったんだか。
俺様に相談もせずに。
( ……ちょっと、寂しいだろーが。バーカ。)
俺たち、仲間だろ??
教えてくれたっていーだろうが!!