†皇帝-emperor-†《Ⅰ》
そう言えば、琥珀が寝室へと姿を消してから大分経つが一向に戻ってくる気配は無かった。
(…何してんだか。)
俺はそこでふと、ある考えが頭をよぎった。
琥珀の奴、まさか病人に盛ってんじゃねーだろうな。
(……ま、まさかな??)
アイツに限ってそんな訳、
あるかもしれねぇ~!!
そこで俺は、
「なぁ、右京。ちょっと、寝室の様子を見にいかねぇーか?」
と右京を見やったが、当然、右京は”こいつ何言ってんだ?”みたいな顔をしていた。
——チッ
コイツは、いつもは俺と下ネタで盛り上がるくせに琥珀が絡むと真面目君になりやがる、琥珀大好きくんだ。
だが、負けるな俺!!
俺は、泣きそうな顔をつくり……
「…右京は琥珀が心配じゃねーのかよ」
右京は俺の表情から、真剣な話だと思ってくれたのか。
「綺羅……。分かった!!んじゃ、一丁、行ってみるかッ!」と賛同してくれた。
俺は心の中でしたり顔をつくり、
「おう!」
そう言って微笑んで見せた。そうこなくっちゃ!俺様が面白くねーからな?