†皇帝-emperor-†《Ⅰ》
——…気がついたときには痛みのせいか気絶していたらしい。
『…ぅッ!!』
痛まない所を探す事のほうが困難なほど全身痛めつけられた俺は起き上がる事もままならなかった。
ふと、視線をさまよわせると俺の横で今まで一度も見たことがないーーいや、…むしろ、そうする事がこの人にも出来たのかと不思議でたまらない気持ちになりつい見つめてしまっていた。
——ヒクッ
…静かに涙を流す母親の姿があった。
その時、初めて母親も自分と同じ人間なんだと知った。
俺は這うように母親に近づき、母親の肩をそっと抱きしめた。
『…ぉ、母さん、どぅして…泣い、てる、の?』
と、俺は母親に問うたがバシッと音を立て、伸ばしかけた腕は払いのけられ拒絶された。
そして、あの人は言ったんだ。