†皇帝-emperor-†《Ⅰ》
それ以降の記憶はなく気が付けば、白い天井、白いカーテン、白いベッド。
白いもので統一された空間のベッドに寝かされていた。
そこに、
「お目覚めですか?」
という俺への問い。
突然、降ってきた声に視線を向ければスーツに身を包んだ男が立っていた。
『……、』
俺は訳が分からずに、ただただ、男を見据えていた。
男は、
「どうしました?お加減でも優れないのですか?」
と、えらく丁寧に俺に問い続ける。
『…ココはどこ?』
「はい。ここは病院にございます」
『あなたは、誰?』
「はい。私は旦那様より貴方様のお世話をさせて頂くように申しつかった者です」
『…俺の世話?』
「はい」
旦那様ってのが誰なのか分らない。
そもそも、どうして俺なんかの世話をこの男がしに来たのかも。