†皇帝-emperor-†《Ⅰ》
「……湯往から、そなたの母親の話しは聞いたな?」
『はい』
俺の返事を聞いた彼は突如、優しい雰囲気を捨て去り、覇気を纏った。
そして、
「女は弱い。いいか、琥珀。女というのはか弱き生き物なんだ。か弱い女は男が守らなくちゃならんのだ」
蒼い眼は強い光を放って俺に言葉を投げる。
広い座敷に金色の天井。
浴衣を着て、覇気を纏う老人。
全てを見透かすような、
蒼い二つの眼。