†皇帝-emperor-†《Ⅰ》
皇妃 瑠璃side
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”ありがとう”といった彼。綺麗な容姿にピッタリと合った名前は、
松雪琥珀と言ったか。
あれから、私は何故か彼の家でお風呂を頂いている。
というのも、
熱を測るように言われ、差し出された体温計を脇に挟んだままいる私に彼は、
『熱下がってたら、』
「……ん?」
『風呂かメシ』
「……へぇ?」
『……どっち?』
と聞かれた。
けど何を聞かれているのか分からなかった。
単語で話す彼に首を傾げると
何故か、プイっと顔をそらされた。
かと思うと、顔を赤くした彼がそこにいた。
そして、それを誤魔化すように、
『……で?どっち?』
と言葉を続けた彼に、
私は、やっとそこでそれが彼なりの気の回し方だと気づいた。
「……じゃー、お風呂で」
『了解』
という事で今にいたる。