FEEL《中》
「ねぇ、いい加減その口調やめたら?前回は女声だったしさ。」



柚子が立ち上がり言った。弥生さんが登場してから話が進まない。



「はぁ、つまんなぁーい。かっこいいじゃんかぁ!さっきの口調。」


「聞いててストレス溜まる。」



弥生さんはまだ少し声を低めている。
柚子は苦笑しながら言った。



「じゃあさっきの続き。」



柚子がそう言うと円は我に返りまた話し出した。



「それが頭を殴られ記憶が曖昧らしく。でも探しているのは女だそうです。」


「へぇ。女…、ねぇ。」



弥生さんが反応するとサチが立ち上がった。



「分かった。他にはあるか?」



誰も立ち上がらないため柚子が今度は立ち上がった。



「じゃあCheshireの話にいこう。」


「柚子。」



柚子はサチを見て頷いた。



「まず円には謝るね。君が言ってくれたのよりも多くの情報を俺たちは持ってる。」



円は眉間に皺を寄せた。
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