FEEL《中》
今だ。

俺は斜め前に進み、左手を床につき、右足を龍蔵目掛けて振り上げた。
龍蔵は急いで両手でガードしたが、もう遅い。
俺はそのまま素早く相手の懐に入ると、顎目掛けて、拳を振り上げる。



「うわっ。」



龍蔵は慌ててふためきよろけたが避けられてダメージはない。



『チッ。』


「うわぁ、危ない危ない。」



今度は龍蔵からだった。



『おっと。』



素直に腹や顔を狙ってくる。
俺はその全てを受け流した。



「やっぱ簡単にはいかないかぁ。」


『そうじゃなかったら幹部じゃないよね。』


「じゃあ、賭けに出ます。」


『え?』
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