FEEL《中》
はぁ、面倒くさい。



「あ、今面倒くさいって思ったやろ。」



歩は顔を顰めて俺を見た。



「ひどいなぁ、ほんま。優しくしてあげとんのにぃ。」


『具体的にどの部分が優しいんですか?』



心の底から思う。
どこが?



「酷いっ!気づいてないなんてっ!」


『さっきから何回泣き真似すれば気がすむんですか。』


「野良ちゃんが心を入れ替えてくれるまでですっ!」


『じゃあ一生することになりますね。』


「冷めた顔で俺を見んといてっ!」


『はぁ…、』



足音が聞こえた。

少しして扉の開く音が後ろから聞こえた。



「悪りぃ、遅くなった。」


「やっぱ、肉まん。」



いい加減に目がチカチカするその緑頭をどうにかしてほしい。
久茂と乍羽が一緒に部屋に来た。

久茂の手にはオレンジジュース。
乍羽の手には肉まん。


乍羽にいたっては目を輝かせながら食べている。
< 143 / 151 >

この作品をシェア

pagetop