FEEL《中》
部屋を出てトイレがある廊下へと行くとむぅは辺りを見回した。



『…どうしたの?』



恐る恐る尋ねるとむぅはばっとこちらを向いて、真剣な顔をした。



「あ、の…ね。」



歯切れ悪そうに言葉を紡いでいく。



「私…さっきね、いろいろあって…、」


『うん。』


「…分かったの。」


『何を?』


「その…、えっと…、」


『…、』


「すっ、すすすすきだってことにっ!」


『…、え?』


「どどどどどうしようっ!」


『ええっ!?何が?』


「ごめんなさいっ!」


『はい?』


「私達、ライバルになっちゃうね…。」


『…は?』


「…だって、あ、いや、偏見とか持ってないからね。それだけは言っとくね。」



嫌な予感しかしない。





「大丈夫だよっ!綺羅さんが好きだとしても私達は友達だって思ってるから!あと、好きになっちゃってごめんなさい。横取りする気はないからっ!」



この盛大な勘違いをどうにかして欲しい。

絶対あれだ。歩さんのせいだ。
嫉妬とか言うから…。


確かに撫でて欲しかったけどさ。それは綺羅さんに憧れてるからで……、

って心の中で言い訳してる場合じゃないっ!
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