FEEL《中》
「前って?」



目の前の彼女は不思議そうな表情で俺を見つめる。


は?…もしかして。
いや、ありえないけど。



『…どこから来たのか覚えてる?』


「私は昔から幹部でしょう。」


彼女は少し首を傾げて言った。



一度は想像した。

だっていきなり目が覚めたら知らない場所に連れて来られていて、
騒ぎもせず
泣きもせず

目の前の状況を素直に受け止めすぎていて…、

違和感はあった。



「…、悠生?」


『あぁ、ごめん。』



先程言われたことが衝撃すぎて無意識に出た声は掠れていた。

まさか記憶がないとは。





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