FEEL《中》
「紫乃がむぅと関係があることにしねぇといろいろと困る。」


『…というと?』


「悠生がボロをした。」



悠生が嫌そうな顔をしたのが視界の端に映る。



『説明してくれる?』


「えっと、むぅにサチ以外にお前のこと知ってる奴がいるって言ってしまったんだよね。」


『は?』


「むぅってずっと無表情じゃん?だからむぅのことが分かる奴なんてサチぐらいだけど…


他にもいるって嘘言っちゃってさぁ。そしたらほっとした顔をしてさぁ。」



思わず頭をかかえた。
最悪だ。
そりゃサチが動く訳だ。


今まで話を聞くだけで俺たちの意見で彼奴の意思が変わったことはない。しかし今回は簡単に引き下がる訳にはいかない。

影の存在が明るみに出れば俺達は下手したら普通にムショの中に入れる。それぐらい犯罪スレスレのことを影はやっている。



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