FEEL《中》
「…あの。」


「どうした?」



女が俺達の方を向いたがサチが反応した。俺たちが無視するとでも思ったのか?まぁ一応反応はするけどさ。


俺は横目でサチ達の会話を聞きながら悠生に持ってきてもらった飲料を飲む。



「出ないの…?始まる。」


「あぁ、俺たちはいつもここで過ごす。」


「テスト。」


「俺は常に学年の上位を維持してる。」



嘘をつくな。
サチはいつも下から2番だ。



「そう。」


「授業に出たいか?」


「…ないから。」


「じゃあ出るか。」



ん?なにがないんだ?


サチは女の言っていることを理解したようで微笑みながら頭を撫でていた。



「ん。行こ。」



サチと女が立ち上がる。



「俺とむぅは授業に出る。お前達は好きにしろ。」


『了解。』


俺の返事にサチは頷くと二人で出て行った。



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