FEEL《中》
ちらりと悠生に視線を送るとまだ少し顔を顰めていた。しかし直ぐに元に戻った。そして何かを考えた後部屋を出て行った。


程なくしてサチも立ち上がる。



「お前も来い。」



女を見下ろしてそう言うと部屋を出て行った。

現在、この部屋には俺と柚子、弥生しかいない。



「ねぇ。」



静かに雑誌を読んでいた弥生が顔を上げて俺達を見た。



「あの子ホントになんなの?」



怒っているように見てとれる顔をして柚子を見つめている。


柚子は小さく溜息を吐くと弥生を見つめ返す。



「…サチのお気に入り。」


「はぁ!? あの女嫌いのサチのっ!? 信じらんなぁーい。」


「そう言ってるわりにはあまり驚いていないように見えるよ。」
『…気づいてたのか。』


「あれぇ?分かっちゃった?予想はつくしねぇ。」


「へぇ。」


「それでさ、俺考えたのよ。」




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