FEEL《中》
ガチャ

ドガ-ン
ドン
ガシャン


突然扉の奥で扉が開いたと思ったら変な音が聞こえ出した。


言い争う声も微かに混じっている。



「どうしたんでしょうか?」


「きっと、ルトが何かを壊したんでしょ。」



スイは男の問いかけに答えると、聞こえてくる音など気にせずに手元の本をまた読みだす。

そして大きな音を響かせ、女が部屋に入ってきた。



「やばいやばいやばい!どどどどうしよう!」


「はぁ、なに?私は話を聞くだけだからね。」



本からルトに視線を向け、溜息をつく。



「マ……マ、マスターの花瓶割っちゃったぁ……、」


「私は何もしないわよ。」



本を読んでいたスイの顔が微かに青くなった。



「扉開いたら暗すぎて椅子に躓いて、椅子を倒した後、私もこけて花瓶が割れた。どうしようっ!」


「ロウは?」


「花瓶が割れたのを見て、怒って逃げた。」


「マスターが恐ろしくなったのね。」



憐れみの視線をルトに向けた。



「覚悟しておきなさい。」


「やだぁ……、これで何回目?」



若干涙目になりながら、ルトは男を見る。



「…………7回目です。」



「地獄だ。」



ルトは頭を抱えた。

スイは本から顔を上げると、ルトを見つめる。



「自業自得ね。貴方が壊すのはマスターの思い入れのあるものばかりだからあんなに怒るのよ。」


「なんでだろ…、私に厄病神でも付いてるのかな?」




「お前が厄病神なんだよ。」



銀髪の男がいつも間にか入り口に立ち、そう言った。
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