FEEL《中》
やっぱり苦手だ。

俺は朔弥を慌てて追いかけると前を向いて歩いた。



「いいか。今回の重要事項は3つ。」



俺が追いついたのを確認して朔弥は口を開いた。



「kingが来る。どんな奴かわからない。少し気を張っとけ。」


『了解。』


「あと今回は例の女のお披露目を兼ねてる。今日だけはサチの顔を立ててやると話が固まった。」


『…了解。』


「最後に…、悠生はCheshireって知ってるか?」


『チェ…シャ…?』


「あぁ。チェシャ猫だよ。内容は幹部会で柚子から詳しく話す。以上だ。」


『了解。』


「チェシャの話は頭の片隅にでも入れておけ。今回の幹部会はこのホテルの小ホールだ。」


『サチの所有してるやつか。』


「彼奴の所持してる建築物は多いからな。」


『羨ましいよね。』
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