FEEL《中》
「みてみてみてみてっ!円!これこれ!」


「あ?うるっせ…ってすげぇ!なんだよこの机。宝石か?これ、すげぇっ!」


「なぁ、やべぇよなっ!これどのくらいだ?」


「ウン十万じゃねーの?」


「よし、売ろうぜ。」


「賛成だ、雪成。いつ入る?」


「早ければ早いほどいいな。よし、今夜だ。」



お前ら何言ってんだ。このホテルの持ち主が目の前にいるんだぞ。



「おい、お前ら。」



ピタリと2人の動きが止まった。
ギギギギギと音がするんじゃないかという動作で声の主を見る。

声の主はサチ。
無表情で彼奴らを見ている。



「…な、なんすか?」


「お前達が仮にこのホテルに忍び込もうとしてるなら……」


「「…………。」」


「やってみろ。返り討ちに遭うがな。」



サチはニヤリと笑うと2人を射るように見つめた。当の2人は青くなって固まったまま。
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